モバイルゲームプレイヤーへのリターゲティングが7日目では遅すぎる理由
1月 24, 2023
このコンテンツは、Remergeの米国地域でDirector of Account ManagementのToya Brown-Riberdyがpocketgamerz.biz向けに発表した記事です。
業界内で最も高い評価を得ているモバイルゲーム企業は、休眠ユーザーのリターゲティングの真価を実感しています。その結果、彼らはマーケティングプランに予算を追加し、セグメンテーションの層を厚くしつつあります。
成功しているゲームアプリは、ユーザー獲得(UA)キャンペーンとリエンゲージメントキャンペーンのニュアンスの違いを把握することで、競争力を高めてきました。これらのプラクティスは、マーケティングファネルのさまざまな段階にいるユーザーとコミュニケーションをとることで互いに補完し合い、多くの企業が、ユーザーグループを分割し、結果をもたらすパーソナライズ化された広告でユーザーをターゲットにする戦略を開発しています。しかし、それにもかかわらず、彼らのリターゲティングアプローチにはギャップがあると私たちは感じています。
直近にインストールしたユーザーを対象に適切なメッセージを表示することは、長期的に見れば大きなメリットとなります。では、なぜこれほど多くのゲームアプリが魔法とも言える「7日目」まで対策を控えるのでしょうか。最初の1週間が経過するまでに、効果的にユーザーとコミュニケーションをとるためにはどうしたらいいのでしょうか。
7日目というリターゲティングトレンドの落とし穴
新規ユーザーをリターゲティングする前に7日間待つことはUAキャンペーンの名残で、マーケターはこれらのユーザーがインストール後の最初の1週間にオーガニックにコンバージョンするものと考えています。モバイル広告の黎明期にはそうだったかもしれませんが、ここ5年ほどの間にアプリ市場全体は成長し、より巧妙になっています。
圧倒的な競争率のため、新規ユーザーのリエンゲージメントに7日間も待つことは、コスト高になりかねません。ユーザーが他に気を取られたり、新しい興味を持ったり、別のアプリを試したりするのに十分な時間です。
ユーザーを獲得するためのコストがさらに高くなっているため、マーケターにとって、新規ユーザー獲得にお金をかけた分、そのユーザーを維持 (リテンション) することが重要となっています。この分野で最も人気のあるジャンルの一つであるカジュアルゲームアプリの2020年から2021年のCPI(Cost Per Install)の数字を見ると、平均CPIは1.96ドルで、2019年から2020年と比較すると45%増加しています。
また、7日目以前のリターゲティングキャンペーンは無意味であり、それ以前に新規インストールした人がコンバージョンする可能性は極めて低いという説もありますが、Remergeで多くのゲームクライアントと仕事をしてきた経験上、このような説はあり得ません。ARPU(Average Revenue Per User)が最も高いアプリでは、ユーザーのコンバージョンに平均7日かかり、かなりの数のユーザーが3~4日目にコンバージョンしていることが分かっています。
« インストールした瞬間からユーザーベースとのつながりを構築することで、将来のエンゲージメントとアプリ内収益を確立することができます »
Director of Account Management、TOYA BROWN-RIBERDY, REMERGE
早期リテンション対策に注力
ロールプレイングゲームなどの特定のサブカテゴリーでは、3~4日目にユーザーリテンションが大きく低下する傾向があり、中には4日目までに新規獲得ユーザーの半分近くのユーザーを失ってしまうアプリもあります。これは、かつて興味を持ったプレーヤーの相当数が、今や競合他社のゲームを楽しみ、お金を費やす可能性があることを示しています。マーケターは、ユーザーがなぜ最初にそのアプリをダウンロードしたのかを思い起こさせなければなりません。そこから、コンバージョンを維持し、ロイヤルティの高い有料ユーザーになるためのファネルをさらに押し進めるようなメッセージングでユーザーをターゲットにすることができます。
当社のゲーム企業のクライアントは、1~2日経過したユーザーをコンバージョンさせることを目的とした早期リテンション戦略を実施することで、最高の結果を得ています。これらのキャンペーンは、特別な機能のためのクリエイティブやメッセージの作成、ボーナス報酬の提供、連続ログインの促進などのエリアに焦点を当てています。インストール直後からユーザーベースとのつながりを構築することで、将来のエンゲージメントとアプリ内収益を確立することができます。
アクティビティ期間を減らしてより多くのゲーマーにリーチする
非アクティブ期間を長期に設定すると、マーケターは、高い意思と消費意欲を持つより多くのユーザーをリターゲティングするオプションを逃してしまう可能性があります。3~4日目に離脱率が大きくなることが多い中、7日目までリターゲティングを先延ばしにしていると、アクティブで価値のあるプレイヤーのセグメントサイズが小さくなってしまう可能性があります。
Remergeでは、8割以上のゲーム会社が非アクティブ期間を7日以内に設定しており、約1割は非アクティブ期間を0日に設定しています。非アクティブ期間を減らし、7日目までの有料ユーザーなど、マイクロセグメントに大きく投資することに価値があります。そのようなユーザーを獲得し、他のゲームに目を向けられる前に囲い込むことを、私たちはクライアントに勧めています。類似のアプリは、このユーザー層の価値を知っており、早期にリターゲティングしなかった競合他社より優位に立つために積極的に入札を行う可能性があります。
UAのカニバリゼーションやオーガニックユーザーとの接触することを避けるため、私たちはゲームアプリと連携し、直近7日以内にアプリをインストールしたユーザーを除外し、7日目以前にアクティビティを示したユーザーをリターゲティングする取り組みも行ってきました。最近インストールしたユーザーを除外しても、セグメントのサイズが大幅に縮小することはなく、マーケターはゲームをプレイしていることが明らかなユーザーをターゲットにできることが分かりました。
早期および直近のインストールユーザーでセグメント化
マーケターは、非アクティブ期間を見るだけでなく、0日目と1~3日目を対象とした早期インストールユーザーのセグメントを作成することも検討すべきです。このような層には、毎日のログイン報酬などの戦術が、ゲームアプリがより強力で長期的なリアクティベーション戦略を構築し、ユーザーを引き付けるのに役立ちます。
また、3日目から7日目にかけては、直近のインストールユーザーのセグメントをお勧めします。このようなユーザーには、期間限定のプロモーションが特に効果的で、中級レベルの報酬を提供することで、マーケターはユーザーを有料ユーザーに変えることができる可能性が高くなります。
果報は寝て待て
ゲームアプリごとに異なるので、的確な落としどころを見つけるのも様々です。しかし、毎月何千ものゲームが提供される中、競合を退け、ロイヤルティを高めるためには、早期のエンゲージメントが重要です。7日目には、このチャンスはすでに失われているかもしれません。