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代理店がQSRのモバイルマーケティング戦略を支援するためには?

この2年間で、モバイルマーケティングと、パフォーマンスマーケティングキャンペーンの計測方法は劇的に変化しました。新型コロナウイルス (Covid) によって、企業の消費者との接し方や広告の出し方は大きく変わり、iOSのプライバシーに関する変更もあって、ブランドは頭を悩ませることが多くなっています。

しかし、これらの変化は広告主にとって本当に意味があるのでしょうか、また広告代理店やアプリマーケティング代理店はどのようにサポートできるのでしょうか。

RemergeのApptivateポッドキャストで、広告代理店Spark Foundryの広告運用におけるVP of Technology and ActivationであるPhil Golas氏に登壇いただき、モバイルマーケティング業界に参入するブランドが直面する課題と、アプリマーケティング代理店が、アプリマーケティングキャンペーン全体のプロセスを通じてどのようにサポートし成功に導くことができるかを伺いました。

クイックサービスレストランのモバイルマーケティングとは

新型コロナウイルスによってフードデリバリーは成長を加速させ、さらなる拡大が見込まれています。この業界は、2029年までに3200億ドルの規模になると予想されています。

消費者がどのように料理を注文するかは変化し続けており、クイックサービスレストラン(ファストフードなどを指す。以後QSR)は業界で競争力を維持し、関連性を保つために、市場の動向に留意する必要があります。パンデミックが始まって以来、多くのレストランがすでに新しい戦術を採用し、目覚ましい成果を上げています。PYMNTSのデータによると、「モバイルオーダーアプリ(アプリで事前注文・事前決済)」を提供しているレストランの56%が収益の増加を記録し、業績の良いレストランの92%がモバイルオーダーができるようにしています。

QSR業界の多くの企業にとって、モバイルマーケティングへの関心は、必要に迫られて生まれたものでした。新型コロナウイルスの影響で実店舗が閉鎖される中、従来の飲食店はアプリマーケティングに目を向ける以外に選択肢はなかったのです。これらの企業は、今や大きく注目されているモバイル市場を活用(多くのQSRにとって新しいコンセプトであったカーブサイドピックアップ [オンラインで注文した商品をドライブスルーのように駐車場を利用してピックアップするサービス] やDoorDashによるアプリオーダー)し始めています。

« この1年半から2年の間に、多くの企業がビジネスのあり方を見直す必要に迫られたのだと思います。 »

PHIL GOLAS氏, SPARK FOUNDRY

これまで実店舗で接客していたブランドの多くが、顧客がカウンターで購入するようになったきっかけが何かをほとんどわかっていませんでした。モバイルマーケティングは、アトリビューション期間を理解し、これまで知ることのなかった顧客の姿にアプローチする、新たなチャンスを切り開いたのです。ジレンマ:この新しいチャネルを十分に活用し、その影響を計測するにはどうすればいいのでしょうか?

モバイルマーケティングには、定量化し計測すべきことがたくさんありますが、QSRブランドの多くは、そのことを理解し始めたばかりでした。グローバル広告代理店Spark Foundryの広告運用におけるVP of Technology and ActivationであるPhil Golas氏は、次のように説明しています:

「この1年半から2年の間に、多くの企業がビジネスのあり方を見直す必要に迫られたのだと思います。そのため、広告主やブランド、クライアントが、モバイル計測や その方法について考え、疑問を持ち、知識を得ようとしているのを目にします。」

QSRが直面するモバイル計測の課題

特にアドテク業界ではプライバシーに関するアップデートが絶えず行われており、モバイル計測の初心者にとって、何を計測できるかを理解することは困難です。教育リソースを見つけることは、モバイル領域でQSRが直面する最大の課題の1つでしたし、現在もそうです。そのため、Spark Foundryは、プライバシーとエンゲージメントに関する教育を優先し、計測可能なものを示し、ラストタッチアトリビューションAATの導入について指導し、計測がどのように進化してきたかを説明することにしています。

QSR業界は、従来のやり方から脱却し、モバイル計測でアクセスできる詳細な情報を取り入れつつあります。ブランドは初めて、消費者が広告を見た後の行動をすべて見ることができるようになりました。LTVを理解し、これまでにない特典プログラムを分析することができます。

この変化は、QSRブランドにとって光明となる瞬間であり、まさに「適応するか、死ぬか」であることを浮き彫りにしています。

« iOSのプライバシーアップデートについてより詳しく知ることができるようになり、その影響は少し軽減されました。 »

PHIL GOLAS氏, SPARK FOUNDRY

iOSのプライバシー変更で代理店はどのようにブランドをサポートできるか

Androidの利用が増加しているものの、iOSへの支出に劇的な変化は見られていないと、Golas氏は述べています。Apptivateのエピソード129で、Appleにはまだ購買力があり、ブランドがこのOSから離れることはないだろう、と付け加えています。

2021年にAppleの新しいプライバシーフレームワーク (ATT) が実装されたことで、多くの企業がパニックに陥り、iOSへの投資に区切りをつけることになりました。しかし、企業の多くは今、慎重に投資を再開し始めたようです。

「iOSのプライバシーアップデートについてより詳しく知ることができるようになり、その影響は少し軽減されました。そして、このアップデートが実装されたとき、私たちはいくつかの数字を目にするようになり、いろいろな意味で私たちが予想していたよりも衝撃が少なかったと感じました。」

iOSとそのプライバシーの変更に関する情報や専門知識の欠如は、ブランドにとって障害となることが多いのですが、信頼できる代理店がクライアントをサポートできるのはまさにそのような場合です。代理店チームは、これらの変更について自社で教育した上で、クライアントを教育する必要があります。例えば、あるキャンペーンで24時間以内にコンバージョンが表示されないのはなぜでしょうか?これは何を意味するのでしょうか?何が起きているのかを読み解き、それをクライアントに伝えることは、信頼を築き、軽率な意思決定を避けるために極めて重要です。

変化の激しい業界で、常にアンテナを張り巡らせる

適切な専門知識を活用することは、すべての代理店、特にSpark Foundryにとって重要です。

「私たちは、多くのベンダーや技術分野の人々と話すことで、自分自身を教育することを好みます。たとえその時、特定のテクノロジーを使っていなかったとしても、クライアントが何をしているのか、ロードマップには何があるのか、どんなクールなものが登場するのかなどを理解するために、オープンな対話ができるような関係を築きたいと考えています。これは、私たちにとって非常に有益なことです。」

Golas氏は、Sparkの特定分野のエキスパートが、社内の幅広いチームに特定の技術について教育していることにも触れました。モバイル領域における進歩には、知識の共有が欠かせません。なぜなら、何事も長くは続かないからです。

モバイル計測の未来はどうなる?

Golas氏は、モバイル計測にはパーソナライゼーションと自動化の余地が大きいと考えています。彼は、使い勝手の悪い技術は成熟しつつあり、より効率的な作業方法が必要であると述べています。代理店がクライアントに最高の結果を提供できるように、パートナー間のAPI統合や技術者間の相互協力がもっと必要です。

その上で、広告主はパーソナライゼーションで適切な人をターゲットにする必要があり、QSRブランドはさまざまなテクノロジーを連携させて消費者をより全体的に把握する必要があると強調しています。

Phil Golas氏とRemergeの話をもっと聞きたいですか? Apptivateポッドキャストで全容をお聞きいただけます