アプリリターゲティング:プライバシーファースト時代にマーケターができること
10月 31, 2023
昨年、Appleはプライバシーポリシーに関する変更を発表しましたが、そのときの市場の見解は、モバイルリターゲティング(広告主がユーザーにパーソナライズされた広告を表示し、アプリの再インストール、リエンゲージ、購入・課金などを促す手法)はすぐに廃れるだろうというものでした。
しかし、私たちRemergeでの経験からお話すると、このApp Tracking Transparency (ATT) フレームワークが登場しても現実はそれほど暗いものにはなりませんでした。アプリマーケターは、AndroidユーザーやトラッキングをオプトインしているiOSユーザー向けに、現在もパフォーマンスの高いリターゲティングキャンペーンを実施できています。
アプリリターゲティングの現状レポートでは、プライバシーファースト時代においても、アプリのオーディエンスを増やすために、なぜリターゲティングが有効なオプションであり続けるのかを考察しています。また、このレポートでは、当社のパフォーマンスデータに加えて、北米、アジア、ヨーロッパのモバイルマーケティングのエキスパートたちの見解も紹介しています。
IDインベントリを活用してユーザーのリエンゲージメントを図る
iOSで利用可能なIDトラフィックの量は約35%減少しましたが(ATT以前は90%で現在は54%)、識別可能なユーザーの割合は現在も、効果的なリターゲティングキャンペーンを実施するのに十分です。現状では、iOSインベントリの半分以上にIDFA(iOS端末の広告識別子)が引き続きあることがわかっています。つまり、1日あたりの入札リクエストが400億件近くあるということです。アプリマーケターはこの機会を利用し、価値の高いユーザーにリエンゲージすることで、LTVを最大化し、収益を増加させています。
アプリ内リターゲティングキャンペーンの継続的な実施
Remergeでは、プログラマティックプラットフォームを強化し、2021年にはいくつかのパフォーマンス指標で当社の過去最高記録を達成しました。その結果、当社のリターゲティングの収益は、ATTの導入以降(5月、6月、7月、8月)も毎月増加しています。
ATTの導入後も、当社のリターゲティングキャンペーン全てにおいて、広告クリック数は33%増加し、リエンゲージメント(アプリのユニーク起動数)は25%急増しました。
IDが無い未来への備え
アプリマーケターにとって、今はユーザーの行動や関心事に関するデータやインサイトをより多く収集できる理想的な期間です。このような情報は、IDが無いトラフィックでのアプリグロースキャンペーン(SKAdNetworkやインクリメンタリティキャンペーン)を最適に実施するための基礎となるものです。
アプリマーケターによるリターゲティングキャンペーンの開始が早ければ早いほど、どのアプリをダウンロードしたか、どのような時間帯に購入・課金したかなど、オーディエンスに関して取得できるデータポイントも多くなります。こうしたデータにより、アルゴリズム(と人間)は、どのパブリッシャーの、どのキャンペーン設定が最高のパフォーマンスをもたらすかを学ぶことができます。
« アプリ内リターゲティングは、今でも当社のゲームをプレイするユーザーに継続的にエンゲージするための重要な戦略です »
MANDY LIN氏(GUMI社, USER ACQUISITION EXECUTIVE)
モバイルマーケティング戦略の再考
Appleのプライバシーポリシーに関する変更は、多くの人が予想していたほど壊滅的な影響をもたらしませんでしたが、アプリマーケターがモバイルマーケティング戦略の見直す後押しとなりました。
そこで当社の顧客に対し、ATTの導入後にもリターゲティングに投資している理由や、AndroidやiOSでリターゲティングキャンペーンを行うかどうかを迷っている企業に対し、どのようなアドバイスができるかを尋ねてみました。
詳細な分析については、「アプリのリターゲティングの現状」をご確認ください。
MANDY LIN氏(GUMI社, USER ACQUISITION EXECUTIVE)
「アプリ内リターゲティングは、今でも当社のゲームをプレイするユーザーに継続的にエンゲージするための重要な戦略です。モバイルゲーム業界では競争が激化しているため、ユーザーを維持することが難しくなっています。そうしたなか、アプリ内リターゲティングは、インストール後も引き続きユーザーにエンゲージするのに非常に役立っています。」
VICTOR HERNANDEZ氏(JUST EAT TAKEAWAY社, SENIOR MOBILE PERFORMANCE)
「アプリのリターゲティングは変化しており、現在では広告のパーソナライズが低下し、精度が低くなっています。しかし、そこに可能性がなくなったわけではないので、既存の顧客にエンゲージしなければ大きなチャンスを逃すことになるでしょう。」
アプリ内リターゲティングに関する詳細なインサイト
詳細については、当社の新しいレポート「アプリリターゲティングの現状」をご覧ください。