ユニバーサルリンクがアプリのパフォーマンスを向上させる5つの理由
3月 09, 2020
iOSのディープリンクは、URLスキームとユニバーサルリンク (Universal Links) を介して実装可能です。URLスキームは広く知られていますが、ユニバーサルリンクはアプリとウェブサイトを同一のリンクで簡単に紐付けるAppleの機能で、スムーズな操作と安定したユーザーエクスペリエンスを提供します。
この記事では、ユニバーサルリンクとは何か、そしてなぜユニバーサルリンクがパフォーマンス の向上、特にアプリリターゲティングに不可欠なのかについて、アプリマーケターの皆様に役立つ情報をお届けします。
1つのリンクですべてを解決
ユニバーサルリンクは、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的として2015 年にiOS 9とともに導入されて以来、あらゆるアプリにディープリンクを適切に紐付けるために必要不可欠な存在となりました。
ユニバーサルリンクは、ウェブページとアプリのコンテンツを1つのリンクで簡単につなげることができるため、iOSユーザーはスムーズに操作できるようになり、またそれはアプリがインストールされていない状況でも機能します。
ユニバーサルリンクに対応することで、iOSユーザーはリンクをクリックすると、ウェブブラウザを経由せずにインストールされたアプリにシームレスにリダイレクトされます。アプリがインストールされていない場合は、代わりにスマートフォン上でスマートフォンサイトが起動します。ユニバーサルリンクは、ユーザーをシームレスにアプリに直接誘導するため、アプリのエンゲージメントを高めることが証明されています。
ユニバーサルリンクを導入しない理由とは
ここで重要なのは、ユニバーサルリンクは、ユーザーがリダイレクト先のURLのドメインと一致するURLをクリックした場合にのみ機能するという点です。つまり、リダイレクト先のドメインがユニバーサルリンクと異なる場合、ユニバーサルリンクは機能しません。
つまりアプリ開発者は、アプリを開くドメインを正確に定義する必要があります。ドメインを正確に定義できない場合、ユーザーはモバイルウェブにリダイレクトされ、結果としてiOSユーザーへのセキュリティ対策がさらに強化されることになります。ユニバーサルリンクでは、ユーザーをアプリやスマートフォンサイトにリダイレクトするモバイル測定パートナーをアプリ内でホワイトリスト化する必要があり、アプリ開発者はユーザーの体験とプライバシーをよりよく管理できるようになります。
上記のように、ユニバーサルリンクの導入にはそれなりに手間暇がかかりますが、それでも、ユニバーサルリンクによってもたらされるパフォーマンスの向上を、5つの点から解説します。
1. アプリが起動しない場合にアプリストアへフォールバック可能
モバイル測定パートナーは、スマートフォンサイトの代わりにApp Storeへのリダイレクトをサポートする技術的ソリューションを提供するため、モバイルファーストの広告主にとって、スマートフォンサイトを持つ必要性がなくなります。
アプリを開くトリガーの起動に失敗した場合、ユニバーサルリンクはユーザーをアプリストアにリダイレクトし、アプリのインストールを促します。ユーザーのアプリ再利用を期待するモバイルファーストの広告主にとっては大きなメリットです。ユニバーサルリンクのユーザーフローは、反応しなかったときにデッドエンドに到達していたURLスキームやディープリンクから大幅に改善されています。過去にはURLスキームのフォールバックも可能でしたが、その後Appleはフォールバック機能を廃止しました。
2. ユニバーサルリンクはユーザーのリエンゲージメントに必須
アプリをアップデートしてユーザーにリエンゲージメントを呼びかける場合、ユニバーサルリンクは、パフォーマンス面で必要不可欠です。ディープリンクは、広告からアプリにユーザーをリダイレクトするという点では同じですが、画面にポップアップメッセージを表示するため、一般的にパフォーマンスは低下します。これは、ユーザーが次の行動に移る機会を逸する可能性があることを意味しています。
今後、iOS向けURLスキームのサポートが一切停止される可能性は常にあり、ユニバーサルリンクを導入しない場合、アプリのコンバージョン率向上のチャンスを失うことになることを念頭に置いておきましょう。
3. アプリのインストールによって制限されるURL スキーム
URLスキームはユーザーをアプリ内の特定の行き先に誘導しますが、どちらの方法も、ユーザーがデバイスにアプリをインストールしている場合にのみ有効です。アプリがない場合、リダイレクトはエラーメッセージを表示するか、最悪の場合、何も表示されず、ユーザーフローを断ち切ることになります。
ユニバーサルリンクが実装されていないと、ユーザーがアプリを持っていない場合や、モバイル端末に旧バージョンのアプリがある場合は、アプリを開くことができず、ユーザーエクスペリエンスが低下する可能性があります。
4. リテンション率とコンバージョン率を向上させるユニバーサルリンク
では、ユニバーサルリンクがどのようにパフォーマンスを改善できるのでしょうか。答えは非常に簡単です。ユニバーサルリンクは、ユーザーを目的地へ誘導することです。アプリ内で見たいコンテンツに早く到達するほど、コンバージョンに至る可能性が高くなります。購入フローから不要な手順を取り除けば、アプリの収益にプラスの影響を与えながら、ユーザーエクスペリエンスを向上できます。
上記のグラフの通り、リエンゲージメント率は、クリック後に成功したセッション数、つまりアプリを開いた数などを示し、一方でコンバージョン率は、目的のコンバージョンイベント(購入イベントなど)の数を示しています。
あるクライアントが共有するリアルタイムポストバックデータでは、ユニバーサルリンクの実装後、リエンゲージメント率が大幅に上昇した結果、コンバージョン率も向上したことがわかりました。
ユニバーサルリンクが適切に実装されていれば、リンクをクリックしたユーザーがアプリを開くフローから離脱する可能性がないため、実装後すぐにアプリの利用率と収益を大幅に向上させることができます。確認を求めるポップアップ画面を表示させず、AppStoreにリダイレクトさせることなく、ユーザーをスムーズにアプリへ誘導できるからです。ユーザーエクスペリエンスが良ければ、その後アプリの起動イベントとして追跡されるセッションイベントがすぐに発生します。
5. リアトリビューションはより正確になり、拒否率は低下
リアトリビューションとは、クリックとアプリ起動の正当な関連付けであり、今後、クリック後に発生するすべてのアプリ内イベントは、最後にクリックした広告パートナーと関連付けられることを指します。アプリの起動が所定の平均時間枠外でトリガーされた場合、モバイル測定パートナーはリアトリビューションを拒否し、その後のアプリ内アクティビティは自然に発生したもの(オーガニック)と見なす可能性があります。
不正クリックも広告分野における主要なトピックです。モバイル計測パートナーは、アプリの起動が広告パートナーからのクリックに関連するかどうかを識別するために、不正検出の仕組みを活用しています。
アプリを開くまでの流れがスムーズになると、時間の経過とともにリアトリビューション数が増え、拒否率が低下し、不正行為の重要な指標であるクリックからアプリを開くまでの時間の短縮につながります(その結果、リアトリビューションの拒否率が低下)。各クリックは、クライアントに適切に関連付けられたセッションとなり、最終的にパフォーマンスを向上させます。
まとめと重要なポイント:
- ユニバーサルリンクを実装することで、リターゲティング計画のあらゆるセグメントにおいて、ユーザーにメリットをもたらすことが可能
- ユニバーサルリンクを実装すると、リエンゲージメント率とコンバージョン率が上昇
- リアトリビューションと拒否されたリアトリビューションに基づき、ユニバーサルリンクが不正行為の検出をサポート
このブログ記事は、リターゲティング予算を効果的に使う方法のヒントとコツに関するシリーズの一部であり、RemergeとAdjustにより提供されています。