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ケーススタディ | Delivery Hero

RemergeとDelivery Hero、No-ID世界でのインサイトを得るためにインクリメンタリティ測定を実施

クライアントについて

Delivery Heroは、アジア、欧州、中南米、中東、北アフリカの約50カ国でサービスを展開する、世界有数のローカルデリバリープラットフォームです。2011年にフードデリバリーサービスとして創業し、現在では、4大陸で独自のデリバリープラットフォームを運営しています。

Delivery Heroは、食料品や日用品を1時間以内(10~15分で到着することも多い)にクライアントへ配達できることを目指し、次世代型Eコマースであるクイックコマースにも早い段階から取り組んでいます。本社はドイツのベルリンにあり、2017年にはフランクフルト証券取引所に上場し、2020年にはドイツ株価指数DAX(Deutscher Aktienindex)の対象銘柄となりました。

Remergeとの長期的なパートナーシップ

RemergeとDelivery Heroとはすでに7年もの付き合いがあり、複数の地域で数多くのモバイルマーケティングプロジェクトを共に実施してきました。この取り組みが進展したのは2021年初めで、両社がユーザーIDのない広告分野に対応できるようその準備を始めたことがきっかけでした。

iOS 14.5の公開以降は、マーケティング活動のパフォーマンス計測は、アプリマーケターにとってさらに難しいものになっています。Appleは、個人データ保護のため、ユーザーのデバイスID(IDFA)をデフォルトでは広告主へ提供しなくなったことで、計測は、AppleのアトリビューションモデルであるSKAdNetworkに限定されることになったためです。ユーザーを個別にトラッキングできない場合、マーケティングキャンペーンや、そのキャンペーンによるインパクトを結びつけることは難しくなります。そのためアプリマーケターは現在、キャンペーンの実際の価値を判断するためにさまざまな方法を試しています。

当社は2019年から、No-IDトラフィックでのユーザー獲得 (UA: User Acquisition) に向け、インクリメンタリティ製品の開発に投資してきました。2021年2月には、Delivery Heroがこの製品を使用する最初のクライアントになりました。

Delivery HeroのGlobal Head of Mobile Marketing & ProgrammaticのVincenzo Serricchio氏は「Remergeは、ATTやSKANが展開されるもっと前から、キャンペーンの計測に備えて、製品を考案していました。こうしたDSPを当社は他に知りません。」と述べています。

Causal インパクト分析によるインクリメンタリティ

No-IDユーザー向けの当社のインクリメンタリティ製品は、Googleが開発し計量経済学に根ざしたフレームワークであるCasual Impact分析に基づいています。この方法では、オーガニックまたは他のマーケティング活動のいずれかで発生したコンバージョンを考慮して、広告キャンペーンのインクリメンタルアップリフトを計測します。

またこの方法は、ユーザーIDを必要とせずに、インストールからIDFAが利用できないキャンペーンのリエンゲージメント効果まで、あらゆるコンバージョンイベントを計測できます。テレビ広告の計測方法と同様、この原則では、テストグループでキャンペーンを実行し、コントロールグループには広告を載せないことを前提としています。

コントロールグループは、IDに結びつかないデータ信号を使用して構築されます。このアプローチでは、時間の経過でも変化しにくい類似性のある安定したグループを作成できるため、当社ではデバイスモデルを採用しました。

Hungerstationでテストを実施

このテストは、Delivery Heroのローカルブランドの1つであり、サウジアラビアでも人気のデリバリーアプリである、「HungerStation」向けのプロジェクトから開始しました。この目的は、新規ユーザーを獲得するために最適な設定を特定すること、および新規ユーザーと既存ユーザーの区別が難しくなっている現状において、No-IDトラフィックでキャンペーンを実行するためのインサイトを得ることでした。

第1段階では、さまざまなクリエイティブフォーマット(バナー、インタースティシャル、動画)を使用して、IDトラフィックについて複数のユーザー獲得テストを実施しました。これらのテストは8時間の実験で構成し、このデリバリーアプリのインストール、注文、初回購入が通常最も多くなる夕方のピーク時に実施しました。

ここで発見したことを当社のデータサイエンスの専門家が分析し、それをNo-IDトラフィックでテストを実行するための基準として使用しました。そのうえで当社の担当チームが、競争力のあるCPI(インストールあたりのコスト)の数値を迅速に達成し、今後最大化できる可能性があるキャンペーン要素を特定し、当社と共同で実施した広告の増分値を示したデータをHungerStationに提供しました。

« この取り組みへの実施を決めた背景には、Remergeがこれまでに培ってきた信頼性と透明性の高さがありました。私たちは、当社の成長に勢いを与えてくれるこの製品とチームの力を信頼しています。 »

VINCENZO SERRICCHIO氏

さらなるインサイトのための継続的な調査

SKAdNetworkにより、広告主は現在、Appleデバイスでのインストール後イベントの計測および最適化が難しい状態に置かれています。 そのため、リピート購入や無料トライアルの申請といったダウンファネルのイベント向けに、こうした情報を頼りにアプリキャンペーンを最適化してきた広告主は一連の新たな課題を抱える結果となっています。

こうした追加的なインサイトを収集および提供するため、当社はインクリメンタリティ測定の設定について継続的に実験を続け、Delivery Heroなどのクライアントと協力して新しい発見につなげています。Serricchio氏が述べているように「今後、ローワーファネルのタッチポイントでは多くの可視性が失われることになるため、注文の伸び、ユーザー獲得の伸び、初回注文の伸びなどを計測するインクリメンタリティの重要性がこれまで以上に高まるでしょう。」